自転車雑誌をのぞいてみる
ペナンの本屋で買った自転車雑誌の一部です。
書店の品ぞろえは決してよくありませんが、マレーシア自体の出版文化がやや遅れている(盛んでない?)せいか輸入物に頼っている部分が大きいのが現状です。
数年前から「健康のために自転車でも」と乗り始めた身ですが、マイペースながら今も興味は失っておらず、雑誌なんかもつい買ってしまっている始末です。
一番日本の雑誌に近い編集方針なのはこのあたりでしょうか。
自転車、備品を含めた新製品の紹介やランキングテスト、レースやイベントの記事、そして多数の広告等、よくもわるくも情報誌で、需要はあるけど、この本に愛情を感じる人はいないでしょうな。
ただこの雑誌は世界展開していて、書店には本国版(UK)とマレーシア版があります。マレー語に翻訳されているのではなく、後半にマレーシア国内のイベント特集やおすすめサイクリングコースなどを付加しています。内容的にお得なだけでなく、国内印刷なので本もきれいで(傷みがない)、しかも輸入品扱いでなくなるため価格が半額以下!!!
こんなのもあります。
この2紙はタイトルからもわかるようにサイクリングに特化しています。
「Cyclist」は毎号、土地(国)を変え、実際に走ってコースを紹介、旅(サイクリング)をリポートしています。持っているだけでもスペイン、アメリカ西海岸、イングランド等、ホント自転車旅したくなります。
ひまつぶしに買って読んでる雑誌ですが、気にするつもりはないのに気になってしまうのが「日本のモノ」です。あふれる広告や新製品紹介の中に日本のモノが少なすぎると感じています。
まだ自転車がスチール製だった頃に、日本のミヤタやパナソニックはツールドフランスのステージ優勝車となっています。少なくとも世界のトップレベルのモノをつくっていました。
そして今もメーカーは残っていて、カーボンやチタン、ステンレス等の素材で新しい車種を世に出しています。
しかし、どの本を見ても日本メーカーの自転車は出てきません。1台も。
いや1台ありました。
1番最初の写真に写っている右下の雑誌「Urban Cyclist」の中に。
この雑誌は名前からもわかるように、レース目線ではなく街乗り目線で編集しています。スポーツとしてではなく、純粋に「自転車が好き」という人向けといえるかもしれません。
見つけた名前は「CHERUBIM」(ケルビム)。正真正銘、日本のメーカーです。自転車に興味がある人しか知らない名前だと思います。
雑誌巻末に今までのバイクテストのまとめ欄があってその中に見つけました。
付けられた得点は「9」点。選ばれた100台近くの自転車の中で9点は最高得点で、10車ほどしかありません。
日本には競輪があり、そのおかげで優秀なフレームビルダーが数多くいます。ケルビムはその流れをくむ1社です。
雑誌を見てて何となく感じたのは、全般的にモノづくりの伝統と技術はあっても、物売りの技術が下手なのではないかと。
自転車本体以外ではシマノは別格として、意外だったのが「CAT EYE」と「三ヶ島ペダル」です。2社とも思ったよりも露出度が多く、明らかに世界のマーケットに食い込んでいることがわかります。
三ヶ島ペダルは私の印象では「国内のマニアックなファン向けに細々と良品を作り続けている」といった認識だったのに…、「CAT EYE」については「岡山の山中の決して大きくなない工場で(前に雑誌で見た印象)、ライトからサイコンまでこんなに多種多様な製品つくって大丈夫か?」とか勝手に思っていたのに。
もちろん2社の製品とも私使っています。
そしてこの本。
この本は毛色が違います。
1人数ページ、13人のカメラマンによる自転車に関する写真だけで構成されています。
製品の紹介等は一切ありません。
自転車をテーマにした写真集といった感じです。
写真に重きを置いているのでカメラマンの経歴や撮影機材等の紹介にもスペースがさかれています。
こないだ何気に読み返してみて少し驚きました。
撮影機材の欄です。
調べたらカメラマン13人で28台のカメラを使っていたのですが、うち25台が日本社製だったのです。
プロの世界でこのシェアは圧倒的です。
ニコン、キャノン、ソニーのほか、マミヤ!フジ!、リコー、ペンタックスの名があがります。
個人的感想としては、日本の自転車本体は性能で海外のメーカーにひけをとっているとは思いません。
もっと外でも売ってください。
3コメント
2017.04.02 09:47
2017.02.07 15:20
2017.02.03 14:43